はじめに
iPhoneの登場以来、Apple製品の利用者は年々増加しています。
それにあわせてMac環境でサポートされるアプリも増え、Mac対応のAAAタイトルゲームも出始めました。
ただ、まだまだWindows環境でしか動作しないゲームが多い状況です。
今回は、Mac環境でWindows用ゲームを動作させる方法の1つ、whiskyを使えるようにするまでの話を書いてみます。
WindowsとMacのゲーム環境事情
2024年9月時点での、世界のOSシェアは、以下のような調査結果があります。
Windows:70%
MacOS:15%
その他(Linux等):15%
これに比例するように、PCゲームの対応プラットフォームもWindowsが圧倒的です。
この要因の1つとして、Macは3Dゲームに必要とされるグラフィック性能がそれほど高くなかった、という点があります。
Windows環境(デスクトップPC)は、様々なメーカのパーツの組み合わせで構成され、パーツごとに自分で交換することも可能です。基本的にグラフィックボードを搭載しており、強力な3D描画性能を発揮できます。但し消費電力も強力です😅
たとえば新作ゲームの要求スペックが高い場合、それにあわせてCPUやグラフィックボードだけ自分で交換する、といった運用が可能です。
一方Macは、基本的にApple側でシステム構成を全て決め、専用のチューニングを施します。このため、システム全体の安定性は高い(トラブルが少ない)傾向がありますが、Windowsほどのカスタマイズ性はありません。パーツを自分で交換することはできないのです。
3D描画性能も低くはありませんが、システム全体としてのエコ(低電力)性能も意識しているため、ひらすら高性能を求めるグラフィックボードには及びません。
実際、App Storeで配信されているゲームも、モバイル向けのライトなゲームが大半ですね。
ただ、この状況は今後少しずつ変わっていくと思っています。
Appleのプロセッサ、M4シリーズの登場です。
特にM4 Pro/Maxのグラフィック性能は非常に高く、M4 ProではGeforce RTX 4070に迫る性能を持っています。
遠くない未来に、ゲーミングPCとしてMacを選択する日が来るかもしれません。
MacでWindowsゲームする方法
とはいえ、まだまだWindows専用のゲームが多い現状。
それでもMacでやりたい!と思ってしまった場合はどうすれば良いのか🤔
いろいろ制限はありますが、方法はあります。
仮想マシンを使う
現在の有名どころだと、2つあります。
いずれにしても、ARM版のWindowsをインストールするので、いくつかのゲームタイトルは互換性がなく、動作しない場合があります。
また、Windowsのライセンス料も必要です。
・Parallels Desktop
https://www.parallels.com/jp/
1ヶ月の無償トライアル期間があります。その間はフルスペックで使用できるので、やりたいことができるか、いろいろ試してみると良いでしょう。
インストールや各種設定も非常に簡単です。
・VMware Fusion Pro
https://blogs.vmware.com/teamfusion/2024/05/fusion-pro-now-available-free-for-personal-use.html
完全無料で使用可能です。
ただ、インストーラをダウンロードするのに手間がかかり、少し難易度が高めです。
インストール後も、設定を詰めないと使いづらさを感じます。
Game Porting Toolkitを使う
こちらが今回メインの話です。
Apple公式より、Game Porting Toolkit(GPTK) なるものが無料配布されています。
Windowsでは、Direct X(11とか12とか)という仕組みを使用し、描画パフォーマンスを向上させています。Macでは、Direct XではなくMetalという仕組みを使用します。
GPTKは、Windowsゲームで使用するDirect Xへの命令を、Metalへの命令へ変換してくれる機能です。
変換の分の時間や負荷はかかるので、Windowsで直接動作させる場合よりパフォーマンスは落ちます。
もともと開発者向けのツールであり、APIとして提供されているだけなので、インストールしたらすぐアプリ実行してゲーム起動!とはいきません。
ではどうするかと言うと、すでにGPTKを実装したアプリが公開されているため、これを使用します。
現状、下記2つが代表的なアプリです。どちらも、Windowsライセンス不要です😳
・CrossOver for Mac
・Whisky
CrossOver for Mac
14日間の無料トライアル期間があります。
1年版が約7,000円、買い切り版が約66,000円
けっこうお高い😅
でもその分、動作するタイトルも多いようです。eightはまだ使用したことがありません。
使う機会があれば、そのときは使用感など投稿しようと思っています。
下記サイトで動作状況が投稿されているそうです。
https://www.codeweavers.com/compatibility
Whisky
完全無料で使用可能です。
動作するタイトルはCrossOverほど多くありませんが、試す価値はあるでしょう。
確認環境
今回eightが試した環境は、以下の通りです。
MacBook Pro M4 (CPU:10core GPU:10core)
ディスプレイ:14inch
メモリ:32GB
ストレージ:1TB
OSバージョン:MacOS Sequoia 15.3
Whiskyインストール
以下サイトより
https://getwhisky.app/ja/
1.「最新版のダウンロード」をクリック
2. Whisky.zip がダウンロードされるので、解凍する
3. Whisky.app をアプリケーションフォルダへ移動する
これでWhisky自体のインストールは完了です。
WhiskyにSteamをインストール
ゲームタイトルによっては、Steamではなく専用インストーラがある場合もあります。
今回はSteamを入れてみます。流れは同じです。
1. 公式HPからWindows用のインストーラをダウンロードする
https://store.steampowered.com/about/
赤丸のアイコンをクリックすると、Windows用のインストーラ(.exe)をダウンロードできます。
2. WhiskyでBottle作成する
Whiskyウインドウ右上の+アイコン(画像の赤丸部分)をクリックすると、Bottle作成メニューが表示されます。以下設定で作成します。
Bottle名:steam
Windowsバージョン:Windows 11 (10でも問題ない)
Bottleの場所:デフォルトのまま
少し待つと、Bottleが作成されます。
3. Mac OSの言語設定を英語にする
英語設定にしないとインストールが進みません😭
システム設定 → 一般 → 優先する言語
ここに English を追加して最優先に設定、再起動します。
再起動後はシステム全体が英語表示になります。
4. WhiskyでSteamをインストール
Whiskyウインドウ右下の Run… をクリックし、ダウンロードしたWindows用steamインストーラを実行します。
Steamの言語設定もEnglishにします。
5. ひとまず英語表示のまま起動確認
WhiskyウインドウにSteamがピン留めされているはずなので、ダブルクリックで起動します。
起動には少し時間がかかります、気長に待ちましょう😌
起動できれば問題なし。起動できなければBottleを削除し、再度作成からお試しください。
6. 日本語設定に戻す
SteamとMac OSの言語設定を日本語に戻します。
WhiskyでBottle設定する
たぶん下記画像の設定で良いと思います。
RetinaモードをONにすると、Macの最高解像度まで使えるようになります。が、文字が小さくなるので見づらくもなります。
DXVKは、DirectXをVulkanという仕組みに変換するもので、Linuxで使用します。
今回はMac環境向けに設定するのでOFFです。
Metal HUDはOFFにしています。ONにすると、FPSやメモリ使用量などのパフォーマンス情報を表示してくれますが、ゲーム画面右上に重なるため、不要なときはOFFで良いです。
Steam上でゲームをインストール・起動する
eightはSteamでWindows用ゲームを買ったことがないため、試せるものがありませんでした🥺
何かないか探してみると「バイオハザード re:2」のDEMO版があったので、インストール。
起動すると・・・起動しました!
ひとまず警察署へ入るところまでプレイしてみましたが、多少カクつく程度で、それ以外は問題はなさそうです。
グラフィック設定をもう少し低解像度にすれば、ストレスなくプレイできそう。
困ったこと
Steamやゲームのウインドウをマウスでドラッグしようとすると、カーソルがMac画面下に引っ張られてしまう事象が頻発しました。負けじと上へ戻そうとしていると、そのうち自由に動かせるようになります。謎🤔
さいごに
WhiskyでWindowsゲーム起動するまでのお話しでした。ひとまず動かすことができてよかったです。
他のゲームも試したいですが・・・
それだけのために数千円かー、動かなかったらもったいないなーとか思ってしまったので、まだ試せていません😔
Whiskyの動作確認タイトルリストも、どこかのサイトに投稿されている気がするので、どうなっているか見てみようと思っています。
それでは今回はここまで。ありがとうございました😊
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